2021年10月16日(土)14:00-15:30 オンラインツアー③
加藤友規先生の日本庭園講座と生放送ツアー オンラインツアー③を開催いたしました。
今回は渉成園をテーマに現地から知財企画部のプログラムディレクターの山田咲が解説を行いました。
高石垣の左側(西側)から園内に入るのが通常ルートですが、今回は右側から南に進みました。渉成園は、4つの入り口が東西南北にあり、どこから入るかで、どのようなお客様であったか、どのような庭園の使い方をしたかを読み解くことができます。今回は、水野忠成が使った正客用、いわゆる正式なお客様を迎えるための南門から庭園内に入るルートを、まずは体験しました。南門まっすぐ進むと、大玄関があり、馬屋近くのくぐり戸から入って解説を進めていきました。渉成園は昭和11年12月16日に文化財保護法の前身となる、史跡名勝天然記念物保存法により名勝指定されましたが、無鄰菴も同じく文化財。指定されるには各庭園に理由があります。今回は一部非公開のルートを進んで名勝理由となった要素を確認しながら巡っていきました。
江戸期は船着き場から舟で中庭へ行くルートが利用されており(今回は東側の陸地から中島へ歩きながら解説)、南大島には鐘を鳴らしお茶の準備ができたことを客人に知らせる臥龍堂がありました。ラクダのコブの様な地形になっているのが特徴の中島には石組みが豪壮でごつごつとしたもので組まれていますこの南大島は、国庫補助事業で保存修理工事が昨年まで継続的に行われていました。
池に浮かぶ2つ目の島の頂上には縮遠亭という茶室があり、1949年に撮られた室内写真と変わらず、現在もその姿が残っています。また、この茶室の傍には一風変わった塩釜の手水鉢の本歌(オリジナル)があります。
渉成園には頼山陽らが歌や詩に詠んだ、素晴らしい景色で構成される十三景があり、2周目はこれら13か所の景色を回遊しながら解説をしていきました。渉成園を詠んだ人たちは冷泉為村、澄月、村瀬栲亭、賴山陽など、今回は賴山陽『渉成園記』を通読し、お庭を巡りながら解説いたしました。
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