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さらさら通信

さらさらとは。無鄰菴の施主 山縣有朋が詠んだ歌「さらくと木がくれつたひゆく水の流れの末に魚のとぶみゆ」にちなんでいます。
無鄰菴を途切れることなく流れるせせらぎのように、ここでの出会いが庭園を未来に育む流れとなりますように、名づけました。

2018-2019年 12-1月号

2017-2018年 12-1月号
庭師のまなざし
はく息も凍りつく冬の朝、無鄰菴では午前7時頃からお庭の掃除が始まります。
庭園の中央の芝地には霜が降りて、朝日に真っ白に光っています。霜が降りたら、苔地に踏み入れてはいけません。凍った苔はガラス状になっており、パリパリと割れて元に戻れなくなってしまいます。ゆっくりと溶けるの待ちながら、できる仕事を進めます。
冬には寒肥(かんごえ)といって、樹々に肥料をやるのも大切な仕事です。来年の暑い夏をこえられるようにと願いながら行います。
優しい小麦色をした冬枯れの芝地の下では、もう次の春の芽が動き出しています。日が高くなり、氷の張ったつくばいも、そろそろ溶け出してきました。さあ、苔地の掃除を再開しましょう。

さらさら通信 2018-2019年 12-1月号(PDF)

2018年 10-11月号

2018年 10-11月号

庭師のまなざし
美しい紅葉が待ち遠しい秋になりまたね。この季節になると、お部屋の中から眺めるお庭が一段と引き立ちます。実は庭師はお部屋の中からの眺めにも、心を配ってお庭を管理しています。建物の近くの庭樹は特に目立ちますので、なるべく手を入れた様子が分からないよう自然な剪定をこころがけ、またもっさりと重くならないように、向こうの景色が透けて見える程度に軽やかに枝ぶりを整理します。逆に建物から見て遠景にあたる外周の樹木はスカイラインを構成したり、庭園外の建物からの遮蔽の機能も果たすような剪定を行います。この秋は、モミジの枝ぶりも紅葉と合わせてじっくりとお楽しみください。

さらさら通信 2018年 10-11月号(PDF)

2018年 8-9月号

2018年 4-5月号京都の夏の風物詩、五山の送り火。
その消し炭を水引で結んで玄関に飾る風習が京都にはあります。無鄰菴でも8月16日の送り火当日を過ぎると、このように玄関に吊るしています。次の年まで無病息災、厄除けのお守りとなります。なんと消し炭を、大文字山の上までいただきに早朝4時ごろに登る方もあるほど。全国からたくさんのお客さまがお越しになる送り火も、人々の生活に根ざした催しだったのですね。

さらさら通信 2018年 8-9月号(PDF)

庭師のまなざし

夏になり、クサボケの実が色づいてきました。無鄰菴の芝地の園路のすぐそばにあるクサボケ。4月には赤い花をつけていましたが、季節が過ぎ、実がなります。とても酸っぱいのでそのままでは食べられません。蜂蜜などにつければちょうど良くなります。無鄰菴の施主山縣有朋は当時あまり庭木として用いられることがなかったクサボケやモミなどの野趣あふれる樹木を、新しい庭園観のもと積極的に庭園に取り入れました。また、このクサボケは東山を主山と見る母屋からの景色にも入るので、なるべく低く、しかし自然に見えるように剪定をしてなじませています。

クサボケの花クサボケの実

2018年 6-7月号

2018年 4-5月号無鄰菴で庭園カフェはじめました。
今まで母屋でお抹茶をお楽しみいただいていましたが、今年からコーヒーやほうじ茶、無鄰菴オリジナルどら焼などのメニューがぐっと充実しています。
最上の手入れをされた近代日本庭園の傑作をのぞむ空間で、ゆったりと思い思いの時間をお過ごしください。
そしてこの庭園カフェは通年営業しております。ぜひ通って、お庭の季節の移り変わりをお楽しみください。

カフェについてはこちら

庭師のまなざし

2018年 6-7月号夏のお庭は、ひっそりと影をたたえて美しいものですが、生き物たちはとてもにぎやかです。そんな夏の代表的なお手入れが「流れそうじ」。琵琶湖疏水の水を引いている無鄰菴の流れは、藻が繁殖しやすいので、1週間に2回程度流れ底のおそうじをしています。実はこれ、お庭の美しさを演出するとても大切なお手入れなんです。みなさまは、日本庭園をご覧になる時、水の美しさをどこに感じますか?
明治の庭園の場合、それは流れ底の石たちが清々しく水ごしに見えていること。池底が濁って藻や泥で見えない状態とは雲泥の差です! 流れのおそうじをする時は、次のお水が濁りますのできちんとお隣の瓢亭さんにお声がけしてから。京都ならではのやりとりですね。

さらさら通信 2018年 6-7月号(PDF)

2018年 2-3月号

2018年 2-3月号かつてこの無鄰菴を建てた山縣有朋は「苔の青みたる中に名もしらぬ草の花の咲出たるもめつらし」と詠みました。言ってしまえば雑草とも呼べる野の花を、摘み取ることなくその自然の有り様のまま有朋が愛でていたことが園内の石碑の言葉から読み取れます。無鄰菴ではそれに基づき、主に庭園の中央の芝地の中で野花を味わえるように約50種類を育成管理しています。寒さ真っ盛りの時期から3月まで、庭師が手でひとつひとつ残すべき芽とそうでないものをより分けていきます。気の遠くなる仕事ですが、ゴールデンウィークの頃には写真のような情景が現れます。春まだ浅いこの時期には満開の花を想って、芝地で黙々と仕事をする姿が見えることでしょう。

庭師のまなざし

2018年 2-3月号明治のお庭の大きな特徴は「流れ」があることです。どの象徴的な水の使い方に加え、まるで小川のように豊かなせせらぎを響かせる流れ。無鄰菴の庭ではどこにいても水音が心地よく響いてきます。また、音にはいろいろな表情があります。母屋の中から聞く音と、庭の中に立って聞く音では趣が全く異なります。それもすべて意識的に配置された瀬落ちのなせる技。サウンドデザインがされているのです。そんな流れには鳥や魚が集ってきます。池底の掃除も楽しくなる季節です。

さらさら通信 2018年 2-3月号(PDF)

2017-2018年 12-1月号

2017-2018年 12-1月号京都のお正月の風物詩、「根引きの松」を今年も準備しています。門松は全国的に見かけますが、京都では根がついたままの稚松ごと、門や玄関に飾ります。無鄰菴ではチケットカウンターの横の母屋の玄関に、和紙を巻いて水引をつけて飾っています。根が付いているので健やかに成長し続ける年を願ってのものだとか。また、その松を依代(よりしろ)に神様が降りてきて幸福を授けてくださるものとも考えられています。常緑樹であり永遠の象徴として庭に使われることもある松。
その語源は一説によると神さまを祀るの「マツ」だとも言われるほど。人の営みの中ではぐくまれてきた植物への眼差しを知るほどに楽しくなるお庭です。冬も見所満載の無鄰菴で、ゆっくりとお正月を味わってみてはいかがでしょうか?
10分間のガイドも無料でさしあげています。あらたな冬を楽しみに、お気軽にお越しください。

心新たに、新年のお点前体験はいかがですか? 庭園の中にあるお茶室でお点前を体験をどうぞ。お茶とお庭は密接な関係にあります。無鄰菴の茶室は流れのそばに佇んでいます。目には見えねど、茶室の中にはせせらぎが常に聞こえてお点前の時間を静寂の中に引き立てます。外に広がる庭園に出ればまた、一つ深みを増した見方ができることでしょう。詳しくはこちら。

庭師のまなざし

2017-2018年 12-1月号庭師のまなざし冬の空気の中、近代日本庭園の傑作 無鄰菴も、根引きの松(表紙)の他にもそこかしこで心あらたにお正月を迎える準備をします。
年の瀬になると、無鄰菴の庭師はとったばかりの青竹で、竹垣や結界などを作り取り替えます。
お茶の世界でも新しい青竹は大切なお客様その人をお迎えするときに「あなたのために」との心の表現方法として使用されます。お庭に訪れる新春を、みなさまとご一緒にお迎えする準備を整えています。ぜひお庭で清々しい青竹の気持ち良さを味わってください。

さらさら通信 2017-2018年 12-1月号(PDF)

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