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秋の風物詩 クロマツの葉むしり

10月も後半に差し掛かる一方で、記録的な暑さが残っているころ。
本日は表門を過ぎて左手にあるクロマツの葉むしりをおこないます。

5月のフォスタリングレポートではマツの芽摘みについてご紹介しました。芽摘みでは春夏で伸びていく枝のコントロールをおこない、今回の葉むしりではその枝葉の整理をしていきます。

今回お手入れをするクロマツは、お客様をお出迎えする場所に植わっており、延段をはさんで反対側に植わっているモミジとともにトンネルをつくっています。枝や葉がギリギリお客様にあたらないようにするとともに、モミジの落葉後にもマツが見目良く立っていることを重視し、手入れを進めていきます。

この日は、朝7時半から2名で作業を進めます。作業前の写真がこちら。
のちほど作業後の写真がでてきますので、この雰囲気を覚えておいていただければと思います。

「(葉むしりは)毎年のことなので、この人数でこれくらいの時間がかかるなということは大体想定ができます。このクロマツであれば、今日中には終わるだろうという算段です」と、無鄰菴担当庭師の出口さんは話します。

さて「葉むしり」とはいうものの、葉をむしるより先に枝を落としていきます。
一般的には、樹木がもっとも生長しやすい上部の枝から落としていくのがよいとされています。ただし無鄰菴では開場時間との兼ね合いがあるので、お客様が通る頭上に差し掛かる枝の部分から作業を始めています。
立ち枝(横に伸びている枝から真上に出る枝)、返り枝(幹の方向に伸びる枝)といったマツ全体の見栄えを悪くするような枝を中心に落としていきます。その後に葉をむしることで、作業時間の短縮につながります。

芽摘みと同じく、葉をむしること自体は庭師一年目の若手にも任せられるシンプルな作業です。一方で枝を落とす際は素早くきれいに落とさねばならず、これが難しいと出口さんは言います。経験の積み重ねを必要とした、熟練の技が要求されます。

作業後の写真がこちら。
作業前と比べると一目瞭然。葉がすっきりとし、マツの枝振りが一本ずつよく見えているのがわかります。朝の目算通り、15時ごろには作業が終了しました。

朝と同じ角度から
下から見上げる

出口さんは、さらにこう話します。
「マツの芽摘み・葉むしりはどちらも手作業で進めるので、とても労力がかかります。そのため、年1回はさみで枝を落とすだけの手入れをしているところもあるそうです。ただしはさみだけで手入れをしているマツは、どうしても印象が硬くなってしまいます。マツのしなやかでやわらかい印象を保つためには、この年2回の作業が必須なのです」

こうした樹木一本一本に対する丁寧なお手入れが、無鄰菴の美しい庭園をつくりあげています。

そして余談ですが、今回お手入れした大きなクロマツを支えているこの木。

7~8年前まではただの丸太を使用していたのですが、庭園の風景になじむように自然木に差し替えをしたのだそうです。このほかにも、庭園内には自然木で支えられた大きな樹木があるようです。

庭園全体の景色を自然に見目良くするための心配り、次にお越しの際は少しだけ気にしてみると面白いかもしれません。

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