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「宇髙姉弟のお能講座」第5回『切能』-融、紅葉狩、土蜘蛛、羅生門、石橋- 最終回

2019年3月23日(土)14:00-16:00

1年間の通年講座の花ともいえる「宇髙姉弟のお能講座」、今回が最終回でした。すっかり固定ファンとなったお客さまのお顔を2ヶ月ぶりに拝見するたびに、みなさまお能にどんどん詳しくなられ、ご歓談の内容も一段と深みを増していることに、驚く一年でした。

この1年を振り返りつつ、レポートします!

kirinou

このお講座の講師は金剛流シテ方能楽師の宇髙竜成(たつしげ)先生、徳成(のりしげ)先生、能面師の宇髙景子さまの3姉弟。ご姉弟ならではの、絶妙で遠慮のない掛け合いに教室は笑いの渦が絶えませんでした。

さて、これ、何をしているのでしょう?

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その名もずばり「仏倒れ(ほとけだおれ)」の実演です。
このまま後ろに手をつかずにバタンと倒れる動作があるお能の演目の解説中。

お能はもともと五番立(ごばんだて)といって、朝から夕方まで、5つの演目ジャンルを順に上演していくものだったそう。
「翁」「脇能物」「修羅物」「鬘物(かずらもの)」「雑物」「切能物」がその5つ。
それぞれ特徴があり、今回の「切能物」はもっとも動きが激しくアクロバティックな演目ジャンル。また一日中お能を見た最後の演目にもあたるため、デザートのように、サクッと楽しめる内容になっているそうです。
こんな感じ。

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またこの1年で学んだことに、お能はもともと外で演じられていたもので、陽光の移り変わりなどの自然現象を取り込んだ演出がなされていることも挙げられます。
夕暮れの時間帯に演じることになるお能は、横からの光に映えるような衣装や舞となっているそうです。
一つ一つの演目の解説ごとに、実演と謡をしていただき、とてもわかりやすい内容です。
気兼ねなく、皆さまご質問もなさっていました。

kirinou

そしてお能の上演においては主役は面(おもて)です。演じる役者の内面を表現するのではなく、面の役柄や意味合いを役者の身体に乗り移らせることが、その極意。
ですので、お面の解説はとても大切。

kirinou

景子さんが制作されたお面を、たくさんお持ちいただいて、一つ一つ解説と実演を交えながら講座は進みます。

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面をかけた時の役者の心理や、舞の難しさ、空間の認識の仕方など、演じる側からのリアルなお話も聞くことができて、さらに上演に興味が湧きます!

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そして、毎度楽しみな竜成先生の掛け軸のお時間。
その日の演目に関するお軸を、先生のコレクションから選んでいただき、お軸を使っての解説です。
絵画というメディアを使って、演目の説明をしていただくと、物語の深みが実感を持って記憶に残るのが不思議です。

kirinou

そんなこんなで、とても充実した連続講座が幕を閉じました。
1年間お運びいただいた皆さま、ありがとうございました!

次回は2019年6月5日の夜間に、能楽集中講座の実施が決定!
近日中に告知いたします。

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