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「セカイから見た日本を知るー文学作品の翻訳を通して」第3回『茶の本』と中国茶会

2019年4月13日(土)10:00-12:00, 14:00-15:00

講 師:武田雅子 アメリカ文学研究者、大阪樟蔭女子大学名誉教授
中国茶点前:黄安希 中国茶會「無茶空茶」主宰

今、最も無鄰菴らしいともいえるこの講座。
縦横無尽に東西のテキストを横断し、日本の文化をいつもと違った視点で見る
ことで新しい日本を知る講座。今回の対象作品は岡倉天心の「茶の本」。

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そして先生は無鄰菴メンバーズでもある武田雅子さんが講師をつとめてくださいます。武田先生はアメリカ文学研究者でもあり、翻訳者でもあり、エミリ・ディキンスンの研究も長年されています。

今回のハイブリッドは、「茶の本」と「中国茶のお点前」。
お講座はまずは「中国茶のお点前」から始まりました。お点前は黄安希先生。

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まずは四川省で今年採れた新茶「竹葉青」をいただきます。

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ヒスイのように輝く新茶。お庭からの風も涼やかで、一層美しく見えます。
お菓子は「葛根酥」。山クルミやお米の粉でできたものです。

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順番にお茶をいただき、「茶の本」に少しづつ近づいていきます。

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と、そんなところで武田先生ご登場。

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ここから、一気に明治時代を生きた岡倉天心の世界に入っていきます。

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『茶道の本質は「不完全なもの」を崇拝するにある。- It is essentially a worship of the Imperfect…』
『われわれは、われわれを愛し、黙々としてわれわれに仕えてくれるものらに対して、つねに残忍である。- We are ever brutal to those who love and serve us in silence…』
などなど。

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また、人としての岡倉天心の恋愛模様も朗読を通じて、考察しました。
相手はインドの名家出身のプリヤンバダ・デービー。
わずか1年で文通という手段で、お互いの文化的バックグラウンドを超えて、相手に自分をさらけ出す表現力に感嘆しました。

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最後にもう一服、恋愛にちなんだお茶をいただけるとのこと。
楽しみにお待ちしていたら、なんとその名も「鴨屎香」!

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このお茶をいただいた方があまりにも美味しいので、他の誰にも渡したくない、ということで、わざとこの名前をつけたそう。
すごい独占欲です。
こんな色の烏龍茶です。

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様々な要素から、たくさんの世界を股にかける知的な旅を楽しめるのも、ゆったりと時間の流れるお庭の力が大きいです。
庭の素晴らしさ、文学から感じる過去の人間の思考の奥深さ、そして中国茶の味わい。全てが素敵な週末でした!

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=武田雅子先生が香老舗 松栄堂様とコラボしたイベントを行います!
詳しくはコチラ=
●薫習館オフィシャルサイト http://www.kunjyukan.jp/event/201905emily.html

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