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庭師の夏の暑さ対策とは??

「あっつーい!」と思わず口走ってしまうこの頃の夏。京都ではさらに容赦なく湿気が加わり、アウトドアでの業務が基本の庭師にとっては年間を通して最も過酷な時期といえるでしょう。

今回は、無鄰菴担当庭師の出口健太に、どうやって夏の暑さを乗り切っているのか?を、聞きました!

まずは基本中の基本。休憩をまめにとる。つまり同じ場所にずっといない。通常、庭師の休憩は1日3回。午前10時から30分、正午に1時間、午後3時から30分なのですが、夏の時期はそれにこだわらず、一時的に日陰や扇風機がある場所に退避するように心がけているそう。

しかし、作業に夢中になるとつい時間を忘れてしまうので、こんな工夫も。

ズバリ、日なたに温度計を出しておく。こうすることで作業中の体感温度を数字で理解し、あらかじめ危険を脳で把握できます。この日の温度は47度!天気予報では34度の日でしたが、実際には10度以上の差があることが一目で理解できました。

これを見たら「気をつけなきゃ」と思いますね。

そして、体を冷やす。凍らせたお水は常備し、冷蔵庫や空調服も適宜活用。万が一の救急用の熱中症対策キットは常に見える場所においています。

この暑さによって、都市環境にあるお庭の中のモミジも過酷な状態にさらされます。本来、山中の影や湿気が多い場所にあるモミジ。近年新たに補植した若い木には、夕方の気温が下がったころに水やりをすることもあります。

夏の時期は水中の藻類も活発に増えてしまうので、流れそうじは欠かせないお手入れ。お水のなかでの作業なので涼しそう、と思いきや、樹木の影がない上に、水面の照り返しで暑さ倍増だそう。。。でも最低週1回は、水景の美しさを保つために行っているとのこと。

池の中に早くも新たな藻が発生してきています

さて、この日の午前中最後の作業は茶室周りの低木剪定でした。写真を撮っているだけで滝の汗でしたが、淡々と剪定をすすめる様子は流石、庭師。

茶室回りがすっきりと風通しの良い景色に戻りました!

いかがでしたでしょうか?

夏の庭師の暑さ対策、みなさまもご参考になさっていただけましたら幸いです。

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