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季節のお手入れ日記、2月

こんにちは!
無鄰菴の施主、山縣有朋はこんな言葉を庭園内の石碑に残しています。
「苔(コケ)の青みたる中に名も知らぬ草の花の咲出でたるもめつらし」

無鄰菴の庭では、毎年春を迎えると明るい芝生空間に39種類(同定している品種数)の野花が開花しはじめます。一般的には雑草として取り除かれる場合が多いこれらの草花ですが、石碑の言葉にあるように、名もない草花を愛していた山縣有朋の作庭意図を引きつぎ、芝生の育成管理を行っています。(文:濱坂都)

ニガナ

ニガナ

はじめまして。2019年秋より無鄰菴の庭園ディレクターに加わった濱坂都と申します。
「庭に集い、庭をはぐくむ」ための企画担当として、無鄰菴で行っているイベントや講習会で司会を担当したり、お庭の写真を撮ったり、ご来場者の皆さんのお声をうかがっております。
さて、2月10日、担当庭師の指導のもとに、庭園のお手入れを行いました。 この日の手入れ内容を中心に、名勝庭園としての育成管理について、少しレポートいたします。この日は今年の最低気温を記録、まさかの氷点下!京都らしい「底冷え」の一日、早朝から夕方4時までのお手入れとなりました。

***

今日のお手入れは、春を迎え野花が元気よく芝生に咲くように、それ以外の「除去する野花」の芽を摘むことです。無鄰菴担当庭師・出口健太の指導のもとに行います。

午前7時 
まず、お客様を迎える準備をおこないます。無鄰菴の開門時間は午前9時。それまでに、玄関回り、外周、園路を整えます。
玄関から受付、表門にかけて落ち葉をお掃除します。その後、外壁沿いぐるっと一周、枝や落ち葉、道路のゴミをお掃除します。

午前8時
お庭には、いくつかのビューポイント「視点場(してんば)」があります。今日は、視点場のひとつ、伽藍石(がらんいし)付近の芝生がお手入れ現場です。母屋の8畳間、10畳間、通常非公開の母屋2階からも真っ先に目がゆくエリアです。「庭師も景色の一部」という担当庭師の言葉を胸に、慎重にお手入れを始めます。

正座がいちばん楽な姿勢でしたが…

濱坂作業風景

「チチコグサ」は、街中の道端で見かける馴染みのある野花です。それが、無鄰菴の芝生には、びっちりと植わっているのです。最初は、芝生の隙間に隠れた芽が、さっぱり見つけられませんでした。

濱坂作業風景
濱坂作業風景
濱坂作業風景

チチコグサ

午前9時
時間が経つにつれ、目が慣れて芝生の中が見えてきます。チチコグサの他にも数種類の野花が芝生の隙間に発芽していて、いつの間にか見分けることができるようになっていました。

「なんの作業をされていますか?」

視線を声の方に向けると、お客様 がこちらを興味津々にご覧になっていました。あっという間に開場時間でした。

「雑草の中の『野花』を選別しています。ゴールデンウィークのころには、小さな野花が芝生を覆っています。ぜひ、またいらっしゃってください!」

季節をかえてお庭を訪れる愉しみをお伝えいたしました。ぜひまた春に訪れてほしいです。

この日は、午前と午後の休憩をはさんで、終日芝生の野花のお手入れを行いました。

本日の成果

本日の成果

お手入れを通して、少しずつ担当庭師の所作の意味を理解することが目標です!次回は、どのような季節のお手入れが待っているのか、今から楽しみです。次のお手入れ日記をお楽しみに!

お手本

お手本

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