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特集記事

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特集記事2019/4/15

「セカイから見た日本を知るー文学作品の翻訳を通して」第3回『茶の本』と中国茶会

2019年4月13日(土)10:00-12:00, 14:00-15:00

講 師:武田雅子 アメリカ文学研究者、大阪樟蔭女子大学名誉教授
中国茶点前:黄安希 中国茶會「無茶空茶」主宰

今、最も無鄰菴らしいともいえるこの講座。
縦横無尽に東西のテキストを横断し、日本の文化をいつもと違った視点で見る
ことで新しい日本を知る講座。今回の対象作品は岡倉天心の「茶の本」。

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そして先生は無鄰菴メンバーズでもある武田雅子さんが講師をつとめてくださいます。武田先生はアメリカ文学研究者でもあり、翻訳者でもあり、エミリ・ディキンスンの研究も長年されています。

今回のハイブリッドは、「茶の本」と「中国茶のお点前」。
お講座はまずは「中国茶のお点前」から始まりました。お点前は黄安希先生。

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まずは四川省で今年採れた新茶「竹葉青」をいただきます。

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ヒスイのように輝く新茶。お庭からの風も涼やかで、一層美しく見えます。
お菓子は「葛根酥」。山クルミやお米の粉でできたものです。

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順番にお茶をいただき、「茶の本」に少しづつ近づいていきます。

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と、そんなところで武田先生ご登場。

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ここから、一気に明治時代を生きた岡倉天心の世界に入っていきます。

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『茶道の本質は「不完全なもの」を崇拝するにある。- It is essentially a worship of the Imperfect…』
『われわれは、われわれを愛し、黙々としてわれわれに仕えてくれるものらに対して、つねに残忍である。- We are ever brutal to those who love and serve us in silence…』
などなど。

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また、人としての岡倉天心の恋愛模様も朗読を通じて、考察しました。
相手はインドの名家出身のプリヤンバダ・デービー。
わずか1年で文通という手段で、お互いの文化的バックグラウンドを超えて、相手に自分をさらけ出す表現力に感嘆しました。

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最後にもう一服、恋愛にちなんだお茶をいただけるとのこと。
楽しみにお待ちしていたら、なんとその名も「鴨屎香」!

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このお茶をいただいた方があまりにも美味しいので、他の誰にも渡したくない、ということで、わざとこの名前をつけたそう。
すごい独占欲です。
こんな色の烏龍茶です。

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様々な要素から、たくさんの世界を股にかける知的な旅を楽しめるのも、ゆったりと時間の流れるお庭の力が大きいです。
庭の素晴らしさ、文学から感じる過去の人間の思考の奥深さ、そして中国茶の味わい。全てが素敵な週末でした!

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=武田雅子先生が香老舗 松栄堂様とコラボしたイベントを行います!
詳しくはコチラ=
●薫習館オフィシャルサイト http://www.kunjyukan.jp/event/201905emily.html

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特集記事2019/4/1

「宇髙姉弟のお能講座」第5回『切能』-融、紅葉狩、土蜘蛛、羅生門、石橋- 最終回

2019年3月23日(土)14:00-16:00

1年間の通年講座の花ともいえる「宇髙姉弟のお能講座」、今回が最終回でした。すっかり固定ファンとなったお客さまのお顔を2ヶ月ぶりに拝見するたびに、みなさまお能にどんどん詳しくなられ、ご歓談の内容も一段と深みを増していることに、驚く一年でした。

この1年を振り返りつつ、レポートします!

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このお講座の講師は金剛流シテ方能楽師の宇髙竜成(たつしげ)先生、徳成(のりしげ)先生、能面師の宇髙景子さまの3姉弟。ご姉弟ならではの、絶妙で遠慮のない掛け合いに教室は笑いの渦が絶えませんでした。

さて、これ、何をしているのでしょう?

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その名もずばり「仏倒れ(ほとけだおれ)」の実演です。
このまま後ろに手をつかずにバタンと倒れる動作があるお能の演目の解説中。

お能はもともと五番立(ごばんだて)といって、朝から夕方まで、5つの演目ジャンルを順に上演していくものだったそう。
「翁」「脇能物」「修羅物」「鬘物(かずらもの)」「雑物」「切能物」がその5つ。
それぞれ特徴があり、今回の「切能物」はもっとも動きが激しくアクロバティックな演目ジャンル。また一日中お能を見た最後の演目にもあたるため、デザートのように、サクッと楽しめる内容になっているそうです。
こんな感じ。

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またこの1年で学んだことに、お能はもともと外で演じられていたもので、陽光の移り変わりなどの自然現象を取り込んだ演出がなされていることも挙げられます。
夕暮れの時間帯に演じることになるお能は、横からの光に映えるような衣装や舞となっているそうです。
一つ一つの演目の解説ごとに、実演と謡をしていただき、とてもわかりやすい内容です。
気兼ねなく、皆さまご質問もなさっていました。

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そしてお能の上演においては主役は面(おもて)です。演じる役者の内面を表現するのではなく、面の役柄や意味合いを役者の身体に乗り移らせることが、その極意。
ですので、お面の解説はとても大切。

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景子さんが制作されたお面を、たくさんお持ちいただいて、一つ一つ解説と実演を交えながら講座は進みます。

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面をかけた時の役者の心理や、舞の難しさ、空間の認識の仕方など、演じる側からのリアルなお話も聞くことができて、さらに上演に興味が湧きます!

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そして、毎度楽しみな竜成先生の掛け軸のお時間。
その日の演目に関するお軸を、先生のコレクションから選んでいただき、お軸を使っての解説です。
絵画というメディアを使って、演目の説明をしていただくと、物語の深みが実感を持って記憶に残るのが不思議です。

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そんなこんなで、とても充実した連続講座が幕を閉じました。
1年間お運びいただいた皆さま、ありがとうございました!

次回は2019年6月5日の夜間に、能楽集中講座の実施が決定!
近日中に告知いたします。

=先生方のオフィシャルサイトはこちら!=

宇髙竜成-TATSUSHIGE UDAKA公式サイト

宇髙徳成ブログ 公式サイト

宇髙姉弟 公式サイト

artists, exhibition
特集記事2019/3/15

アーティストの見た無鄰菴 vol.1 作品展示「庭園観測」

2019年3月3日(日)〜3月10日(日)9:00-16:00
ギャラリートーク3月9日(土)14:00-15:00

1週間にわたり、母屋二階で作家 小川 智彦さんによる無鄰菴のお庭を題材とした展示を行いました。
9日(土)はギャラリートークにて、制作のプロセスなどをお話いただきました。
小川智彦 公式HP https://ogawa-tomohiko.com/

小川さんは「風景」を人がいかに捉えるのか、人にとっての「風景」とは何かを制作のテーマとして取り組まれてきましたが、今回は今まで扱ってきた自然の風景や街中の風景ではなく、人の意図が隅々まで張り巡らされた「庭園」の中で制作を行ったことで、今までの制作過程を再認識し、「風景」との関わりをより深められたとのことです。

この企画は、画一的な(絵葉書的な)イメージが強い日本庭園の鑑賞という体験を、アーティストがそれぞれの見方で切り取ることで、解体し、新たな庭園空間の発見につなげてみよう、ということではじまりました。

それでは展示作品と、ギャラリートークについて、レポートします!

アーティストの見た無鄰菴 vol.1 作品展示「庭園観測」①

こちらは建築などで使う一般的な塗料の色見本帳の体裁を適用した作品です。日の出から日の入りまでを色見本帳と同じ83枚の連続写真を定点で撮影し、池の水面や木々から差し込む光の移り変わりを、時間を横断して認識できる作品です。1冊を広げると同じ場所の通時の様子が、数冊並べると別な場所の共時の光が切り取って提示されます。形にしなければ、どんな色味が出るか制作者である小川さんにも未知な作品ですが、結果、無鄰菴での光は一日の中で無鄰菴なりの劇的に変化することが表されています。密に手入れされた木々や庭園の要素が複雑に関係しあっているからでしょう。また、冊子をめくって鑑賞しなくとも、この冊子がテーブルの上にあるだけで、庭園の時間の豊かさ、広がりを感じることができる作品でした。

アーティストの見た無鄰菴 vol.1 作品展示「庭園観測」②

こちらは、水面の記録。無鄰菴の流れの中に自然石(庭園の外から持ち込んだ作品用の石)を一時的に設置し、その水面の高さを石膏で記録したもの。写真と同じ発想ですね。庭園を室内に持ち込む、切り取って別な場所で再度咀嚼する、というプロセスを見るひとは受け取ります。一日の光の移り変わりや、気温の変化、音の変化など、変わっていくものの中にある庭園と、時間の流れやある瞬間の状況を切り取り、止めてしまった作品との対比は、確かに庭園を鑑賞するという経験を相対化してくれるものでした。

アーティストの見た無鄰菴 vol.1 作品展示「庭園観測」③

その写真表現をストレートに扱った作品がこちら。通常、二次元の平面であることを前提として写真は成立していますが、こちらは庭園内部の水平面と立面が交差するポイントをいくつか見つけて、それらを2方向に組み合わされた写真に再度構成したもの。めまいを感じます。石や水面などの大変情報量の多い箇所が、写真として平面に単純化されたはずなのに、再度立体として空間が現れることで、認識が混乱していることが感じられとても興味深い作品です。

アーティストの見た無鄰菴 vol.1 作品展示「庭園観測」④

アーティストの見た無鄰菴 vol.1 作品展示「庭園観測」⑤

さて、トークですがいくつか興味深いやりとりが生まれました。人間にとってある場所を理解したいと願うことは「領土化」と分かち難く、庭園として囲われた空間を作り出して、その場所をひたすら眺めることで、個人にとっての時間や記憶を理解できるもの、把握できるものとして定着させていくのではないか、と小川さん。こちらは毎日同じ庭を眺める、という現代ではなかなか実現しにくい状況が前提となっていますが、一度の無鄰菴の来場でも、最初と最後に同じ場所に佇んでみるなどで、時間の移り変わりを感受し、上記の状況が少し再現できるのでは、とMC山田。
さらに、今まで自然や街中の景色を手のひらサイズ、室内サイズに変更を加えることで作品化してきた小川さんにとって、すでに自然を切り取って庭師が日々管理している「領土」である庭を対象とし、再度それを作品化することは、入れ子の関係になっている、と小川さん。石の作品は、庭が室内に入ってきたと感じる、とMC山田。
などなど・・・

昨年秋から無鄰菴に度々通い制作した作品が、重層的な時空を作り出した展示となりました。ご来場いただいた方々にも、新たな気づきを与えてくれる展示でした!

ところで1点、無鄰菴に作品をお貸しいただきましたので、また今度お庭で会える日もあるかも。お楽しみに!

=展示にあたっての小川さんのインタビューはこちらから!=

アーティストの見た無鄰菴 vol.1 作品展示「庭園観測」 ⑥

茶の湯 短期集中講座 薄茶の客をパーフェクトにする!
特集記事2019/3/1

茶の湯 短期集中講座 薄茶の客をパーフェクトにする!

2月22日(金)から3日間、母屋2階にて茶の湯の集中講座を行いました。10名限定の集中講座です。

1日目に茶道の基礎知識を学びながら帛紗捌き(ふくささばき)を。

茶の湯 短期集中講座 1

2日目は茶道の歴史を学び、入室の仕方や盆略を使用したいくつかの割り稽古。

茶の湯 短期集中講座 2

3日目最終日は、それまでの割り稽古を全て統合して、通しのお稽古をしました。

茶の湯 短期集中講座 3

順番に他の参加者の動作を見学しつつ、ご自身で動作や姿勢を学ぶ両方のお稽古で、皆さまとても集中されておられました。

=講座を担当した千葉宗幸より=

茶の湯 短期集中講座 4

今回短期講座にご参加下さったお客様からのご質問で、茶道は何を学べるのですか?と言った質問がありました、他のお茶会などでも良く聞かれる質問ですが、この言葉を説明するのは、本当に難しい事です。
多くの茶道を習っている方々は、茶道とはおもてなしの心を学ぶ、お点前や作法を学ぶことだと考えるのではないでしょうか?もちろんそれらも茶道を学んで行く目標の一つだと私も考えます。また、教える先生方によって様々な茶道に対する考え方があり、それらも含めて茶道の魅力の一つだとも考えています。

茶の湯 短期集中講座 5

今回の講座で私が参加者の皆様へ伝えたかった事は、茶道とは総合芸術であり、禅と深い関りを持っていることです。
茶道の教えの一つに一期一会と言う言葉があります。これはお茶の世界では、人との出会いや、その時の茶道具との出会いも一生に一度のものであるという意味でとらえられています。もし、同じ客で同じ道具で同じ季節に茶会を開いたとしても、同じ時間は二度と来ません。

常に今しかないのですから、今目の前にいるお客様に最善を尽くす。私はこの言葉が好きな言葉の一つで、この精神にのっとってお茶を点てる事が大切だと考えます。

短期集中講座での1日目は、まずこれらの茶道に関する基礎知識を、資料を交えながら解説しました。次に、割稽古といって、いくつかの所作に分けたお点前を練習します。これは一つのお点前をいきなり通して行うことが難しいためです。

茶の湯 短期集中講座 6

2日目は茶道の歴史、有名な茶人について解説し、1日目におこなった割稽古をつなげて一つのお点前にする練習をしました。

3日目は茶室での歩き方や、床の間の拝見方法、盆略のお点前を再度復習し、より美しい動作や姿勢の練習をしました。3日間の講座を修了する頃には、「講座を受ける前には3日でお茶をマスターしてお茶会に行くつもりだったが、お茶がこんなにも深い物だと思わなかった。」「3日間やってみて私はお茶について何も知らないと言う事が良く分かった。」「3日間では足りなかったからお茶を始めてみる」と言うお声があり、皆様がお茶の世界の奥深さに触れられているご様子でした。

最後に、なぜこの講座を無鄰菴で開催したかということですが、茶道は総合芸術とも言われるようにお茶を飲むだけではなく、お茶を通して、その場をとりかこむ季節を感じることでもあります。現代では、食材やお花も一年中同じ物が手に入り、四季の移ろいを感じる時間を持つことも難しい日々を過ごすことが多いです。

茶の湯 短期集中講座 1

一期一会の考えに通じますが、茶道ではその席の季節感を非常に大切にします。ゆっくりとお庭を眺めて四季を味わいながら、お茶と向き合う時間にしたい、という考えから今回無鄰菴で茶の湯講座を開催しました。

ご参加の皆さまの声

  • 大変勉強になりました。奥深さがわかってよかったです。
  • 茶道が全く始めてだったのですが、一人ひとりに丁寧に教えて下さったので、とても楽しく学ぶことができました。
  • お香のお稽古をしていて、茶道のお点前に通じる所もあると思い、受講しましたが3日間という長さがちょうど良かったです。

  • とてもおもしろくて3日間では足りなかったので4月から茶道教室に通います。
  • お話が分かりやすく楽しかったです。様々な動作の意味を少し理解できた気が致します。