さらさらとは。無鄰菴の施主 山縣有朋が詠んだ歌「さらくと木がくれつたひゆく水の流れの末に魚のとぶみゆ」にちなんでいます。
無鄰菴を途切れることなく流れるせせらぎのように、ここでの出会いが庭園を未来に育む流れとなりますように、名づけました。
秋です。今年も松の葉むしりの時期がやってきます。
11月も終わりになると、去年の春に出た松の古葉は色あせて冬の間に茶色く変色します。そうなると見苦しいので、古葉は茶色くなる前に全て手作業でむしり取ります。作業は木の上からははじめて、徐々に下枝へ。無鄰菴の中で一番大変な松の木は、茶室の前に大きく枝を垂れているものです。枝ぶりが広がっているためと、お客様の利用する園路や建築に近いことから細心の注意が必要なためです。熟練の職人が当たって概ね4日ほど必要です。
しかし、葉むしりをして、すっきりとひと枝ごとの姿が整理された松は、いつ見ても気持ちが良いものです。新しい年を迎える準備を、毎年こうして秋のうちからしています。
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